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Ubuntuインストール方法 24.04 LTS対応

Актуализирано: 2026-03-19 20:03:04佐々木 まい

Ubuntu 24.04 LTSを入れる作業は、ISOを選んでUSBメモリを作り、USBから起動してインストールし、更新と日本語入力まで整えれば一通り完了します。
この記事では、その流れをWindowsとの共存も視野に入れながら、初めての人でも途中で止まらない順番で整理します。

筆者は業務と自宅でUbuntuを複数台セットアップしてきましたが、つまずきの多くはインストーラー本体より前、つまりUSBブートとBitLockerが有効なままの状態に集中していました。
そこで本記事では、ディスク選択ミスを防ぐ確認ポイントを先に押さえ、Boot MenuキーやSecure Bootの見方、balenaEtcherとRufusの使い分けまで、Ubuntu Desktop インストール公式チュートリアルとUbuntu Desktop 公式ドキュメントに沿って再現しやすい形で解説します。

関連記事Linux入門|初心者向けのインストールと基本操作Linux入門。WSL・仮想環境・実機の選び方を比較し、Ubuntu 24.04 LTSの安全な導入手順と初期設定、基本コマンド10選、権限/sudo、トラブル対処まで1本で網羅。Windows利用者のWSL要件やバックアップ必須ポイントも整理します。

Ubuntuを入れる前に知っておきたいこと

Ubuntuとは

UbuntuはLinuxディストリビューションのひとつです。
OSとしての土台はLinuxですが、初めて触れる人でも導入しやすいように、インストーラー、デスクトップ画面、アプリ管理、更新の導線までまとめて整えられています。
この記事で扱うのは Ubuntu Desktop で、画面を見ながら日常利用する前提の版です。
Ubuntu Serverも同じUbuntu系統ですが、こちらはサーバー運用向けの設計なので、最初の1台としては混同しないほうが迷いません。

デスクトップ版を選ぶ場面では、ブラウザ、ファイル管理、Wi‑Fi接続、アプリ追加といった普段のPC操作が最初から想像しやすいのが利点です。
業務でLinuxを触っているとCUI中心の作業も珍しくありませんが、入門段階ではまず画面付きのUbuntu Desktopから始めたほうが、OSそのものへの抵抗感が減ります。

ISOの入手先もUbuntu Desktop ダウンロードとUbuntuを入手するの案内を見比べれば整理しやすく、入り口でServer版を選んでしまう事故も防げます。
公式の導線ではデスクトップ向けのインストール手順が一貫して案内されているので、初回導入ではその流れに沿うのが素直です。

LTSと通常版の違いと選び方

Ubuntuは6か月ごとに新しい版が出ますが、選び方は大きく LTS版通常版 の2つに分かれます。
LTSは長期サポート版で、安定運用を重視する人向けです。
たとえばUbuntu 24.04 LTSは2029年4月までサポートされます。
一方で通常版は新しい機能を早く取り込める反面、サポート期間が短く、例としてUbuntu 25.10は9か月サポートで2026年7月までです。

この差は、導入後の見通しに直結します。
LTSなら、入れたあとに短い周期で大きな更新方針を追いかけずに済みます。
通常版は新機能を試したい人には魅力がありますが、次の更新を前提に付き合う姿勢が必要です。
初心者向けの記事でLTSが定番になるのは、この運用負荷の差がそのままわかりやすさの差になるからです。

Ubuntu リリースサイクルとUbuntu Desktop ダウンロードの案内でも、初めて使う人や安定性を優先する人にはLTSを選ぶ流れが読み取れます。
筆者も、学習用PCや日常利用のノートではまずLTSを入れます。
OSの評価をしたい段階で、半年ごとの追従まで同時に抱えると判断材料が増えすぎるためです。

日本語環境を重視するならUbuntu Japanese Teamの日本語Remixという選択肢もあります。
ただし本記事の軸は公式ISOでの導入です。
まず公式のUbuntu Desktopを基準に理解しておくと、あとから派生版との違いも整理しやすくなります。

ライブ起動と本番インストールの関係

UbuntuのUSBメモリから起動すると、最初に Try UbuntuInstall Ubuntu のような選択肢が現れます。
この2つは似て見えて役割が違います。
Try Ubuntuはライブ起動で、USB上のUbuntuを一時的に立ち上げて試すモードです。
Install Ubuntuはストレージへ本番導入するモードで、実際にPCへOSを書き込みます。

この違いを先に理解しておくと、インストール前の不安がだいぶ減ります。
ライブ起動なら、既存のWindowsを消さずにUbuntuの画面や操作感を確認できます。
筆者は初回導入のとき、ここでタッチパッドとWi‑Fiの挙動を先に見ます。
見落としが多いのは派手なGPU設定より、毎回触る入力デバイスと無線周りだからです。
ライブ起動の段階でカーソルの追従や二本指スクロール、無線LANの一覧表示まで確認しておくと、「入れてから思ったより使いにくい」と後戻りする場面を減らせます。

もちろん、ライブ起動は本番環境そのものではありません。
USBから動いているので、保存先や速度の印象は常用時と一致しません。
それでも、画面が出るか、ネットワークにつながるか、内蔵デバイスが概ね認識されるかを見るには十分です。
インストールを急ぐより、まずライブで一度触って、PCとの相性を先に見ておくほうが失敗の質が変わります。

作業前バックアップとリスク

Ubuntu導入で一番気をつけたいのは、インストーラーの画面そのものより ディスクの扱い です。
単独インストールでは、既存のWindows領域を消してUbuntuだけを入れる構成になりやすく、誤って進めるとデータは戻せません。
新しいOSを入れる作業というより、ストレージの中身を再設計する作業だと捉えたほうが実態に近いです。

Windowsを残すならデュアルブートという方法があります。
同じドライブに共存させる構成もありますが、ここではパーティション操作の理解が必要です。
誤操作の余地が増えるため、入門段階では「Windowsを残したいなら難度は一段上がる」と見ておくと判断を誤りません。
別ドライブに分けて共存させるほうが整理しやすく、同一ドライブより事故の範囲を狭めやすい構成です。

共存構成ではBitLockerも見逃せません。
Windows側で暗号化が有効だと、インストーラーのディスク認識やパーティション操作で引っかかることがあります。
加えて、Windowsの高速スタートアップが有効なままだと、シャットダウン後のボリューム状態が素直でなく、Linux側から扱うときに面倒が残ることがあります。
前のセクションでも触れた通り、Ubuntu導入でつまずく場所はインストーラーの前段に集まりやすく、ここを軽く見ると作業全体が止まります。

WARNING

単独インストールは手順自体は短く見えますが、そのぶん「消してよいディスクを選んでいるか」の重みが増します。
短い手順ほど確認項目が少ないわけではなく、1回の選択がそのまま結果に反映されます。

システム要件と全体フロー

Ubuntuを入れる前に、PCの要件も大づかみに把握しておきたいところです。
CPU、メモリ、ストレージ容量、UEFIで起動できるかといった条件は、導入可否だけでなく作業手順にも影響します。
特にUSB起動を前提にするので、起動メニューからUSBを選べること、UEFIベースの構成を把握していることが前提になります。
ストレージまわりでは、Windows側のIntel RST設定が障害になることもあり、Ubuntu Desktop 公式ドキュメントではAHCIへの再構成に触れています。

準備物としては、Ubuntu 24.04のISOが約5.8GBあるので、ダウンロードだけでも軽い作業ではありません。
USBメモリも8GB以上を見ておく必要があります。
WindowsでインストールUSBを作るなら、balenaEtcherは画面が素直で迷いにくく、Rufusは細かい設定ができるのが強みです。
Ubuntu公式は多くの利用者にbalenaEtcherを勧めつつ、Windows向け手順としてRufusの使い方も用意しています。
Rufusでの書き込み時間の目安は約10分です。
ISOの取得、USB作成、再起動、Boot Menuの呼び出しまで含めると、思ったより前準備に時間を使います。

全体の流れは、ISOをダウンロードする → USBメモリを作成する → USBから起動する → Ubuntuをインストールする → 初期設定を行う という一直線の構成です。
インストール後は更新の適用と日本語入力の整備まで進めて、ようやく普段使いの土台がそろいます。
Ubuntu Desktop インストール公式チュートリアルに沿って見ると、この一連の流れが崩れずにつながっているので、作業全体の見取り図としてちょうど使えます。

関連記事ラズパイ初期設定|ImagerでOS書込みとSSHRaspberry Piの初期設定は、いまはRaspberry Pi Imagerを起点に組み立てるのが最短です。この記事では、microSDへのOS書き込みから初回起動、SSH接続までを30〜60分で終える流れを、HDMIとキーボードを使う方法と、PCだけで進めるヘッドレスの方法に分けて整理します。

インストール前の準備

必要なもの一覧と要件

ここで先にそろえておくと、インストール本番で手が止まりません。
最低限必要なのは、USB インストールメディアを作るための Windows PC、Ubuntu を入れる 対象PC8GB 以上の USB メモリ、ISO を落とすための 安定したネット回線、そしてノートPCなら AC アダプタ です。

Ubuntu の ISO はUbuntu Desktop ダウンロードUbuntu の ISO はUbuntu Desktop ダウンロードまたはUbuntuを入手する(https://jp.ubuntu.com/downloadから取得できます。
初めて入れるなら、長期サポートのある 24.04 LTS 系列を軸に考えると流れがつかみやすいです。
通常版は新機能を早く使える一方でサポート期間が短いので、まず安定して動かしたい用途とは少し方向が違います))。

USB メモリは容量だけでなく、中身を消してよいものを選ぶのがポイントです。
手元にある古い USB を流用したくなりますが、写真や仕事のファイルが残ったまま使うと、次の工程でそのまま消去されます。
対象PC側では、Ubuntu を入れる先の 空き容量 も先に見ておきたいところです。
Windows と共存する構成なら、同一ドライブでも進められますが、誤って既存領域を触るリスクを減らすなら 別ドライブ運用 のほうが筋が良いです。

ノートPCで作業する場合は、筆者は AC 給電しながら進める前提で組み立てています。
USB 書き込み中や再起動の途中で電源が落ちると、失敗の切り分けが一気に難しくなるんですよね。
とくに Windows 側の更新が入って再起動が長引く場面では、バッテリ残量を気にしなくてよい状態のほうが落ち着いて進められます。

Download Ubuntu Desktop | Ubuntuubuntu.com

USBメモリ消去の注意

ブータブルUSBの作成では、USB メモリの中身が消去されます
これは上書きではなく、作成ツールが起動用の構成に作り替える処理なので、残しておきたいデータがある USB は使えません。
作業前に保存データを別のストレージへ退避しておく、という一手間がそのまま事故防止になります。

TIP

USB メモリは「空いているもの」ではなく、「消えて困るデータが入っていないもの」と考えると判断を誤りません。

WindowsでRufusを使ってUSB作成WindowsでRufusを使ってUSB作成でも、Windows 上で USB インストールメディアを作る流れが案内されています。
Rufusは定番ツールですが、書き込み先ドライブの選択を一段飛ばしで進めると、別の USB や外付けストレージを選んでしまうことがあります。
容量表示やドライブレターだけで決めず、作業前にエクスプローラーで対象 USB の中身を一度開いておくと、どれを消すのか頭の中で一致させやすくなります)。

対象PC側のデータ退避も、この段階で済ませておくべき作業です。
Ubuntu を単独で入れるなら既存環境を残さない選択肢に進むことがありますし、共存構成でもディスク操作を誤ると影響は大きくなります。
ドキュメント、写真、ダウンロード済みファイルだけでなく、ブラウザのブックマークや必要な認証情報まで含めて見直しておくと、後から慌てずに済みます。

Create a bootable USB stick with Rufus on Windows | Ubuntuubuntu.com

BitLocker状態の確認と復旧キーの保管

Windows と Ubuntu を共存させる予定なら、ここで外せないのが BitLocker の状態確認 です。
BitLocker が有効なままでも必ず失敗するわけではありませんが、インストーラーのディスク認識やパーティション操作の場面で引っかかる原因になります。
前のセクションでも触れた通り、実際につまずきやすいのはこの周辺です。

Ubuntu Desktop 公式ドキュメントUbuntu Desktop 公式ドキュメントでも、Windows 環境と共存させる際の注意点が整理されています。
共存構成では、BitLocker を 無効化する一時停止する かを先に決めておくと、作業の見通しが立ちます。
どちらの方法を取るにしても、復旧キーの保管 が抜けると後で Windows 側に戻れなくなる場面が出ます)。

復旧キーは、対象PCの中だけに置かない形が安心です。
たとえば同じ内蔵ドライブ内にだけ保存していると、いざブートまわりで問題が起きたときに参照できません。
印刷、別の PC、クラウド保管のいずれかで、今その場で開ける場所 に控えておくのが実務的です。
Ubuntu 導入では Linux 側の準備に意識が向きますが、復旧できる状態を残しておくことまで含めて準備なんですよね。

あわせて、インストール先にするドライブの見分けもこの時点で整理しておくと混乱が減ります。
Windows のシステムドライブと、Ubuntu を入れる予定の別ドライブがあるなら、容量や接続先をメモしておくとインストーラー画面で判断がぶれません。
NVMe SSD と SATA SSD が混在している環境では、名前だけで直感的に判別しづらいことがあります。

Install Ubuntu Desktopdocumentation.ubuntu.com

所要時間とネット回線の目安

Ubuntu 24.04 Desktop の ISO は 約 5.8GB あります。
ダウンロード自体がそれなりのサイズなので、スマートフォンのテザリングや不安定な回線より、固定回線か安定した Wi‑Fi のほうが向いています。
途中でダウンロードがやり直しになると、その後の USB 作成と再起動までまとめて後ろ倒しになります。

USB への書き込み時間は、Rufusを使う一般的な流れで 約 10 分 がひとつの目安です。
ここに ISO のダウンロード時間、対象PCの再起動、Boot Menu からの起動切り替え、インストーラーの画面操作が加わるので、着手からインストール開始までで 30 分台後半から 1 時間近く見ておくと慌てません。
実際には「書き込みそのもの」より、再起動して USB から起動するまでのところで時間を使うことが多いです。

回線まわりでは、ISO を落とすだけでなく、作成ツールの取得や後続の更新まで考えておくと流れが止まりません。
インストール直後には更新作業も控えているため、最初から安定した通信環境で進めたほうが全体のテンポが崩れません。
作業時間を短く見積もるより、再起動待ちやダウンロード待ちを含めて余裕を持った枠で考えるほうが、結果として安全に進められます。

UbuntuのISOをダウンロードする

公式ページの歩き方

ISO はUbuntu Desktop ダウンロードISO はUbuntu Desktop ダウンロードから入手します。
ここで迷いやすいのは、LTS 版と通常版が並んで見えることです。
この記事本編では Ubuntu 24.04 LTS系統 を前提に進めます。
配布ページ上では24.04.3 LTSのようにポイントリリース番号が付いていることがありますが、これは 24.04 系の更新をまとめた最新版という理解で問題ありません)。

Ubuntuを入手する(https://jp.ubuntu.com/downloadにも日本語向けの導線がありますが、選ぶ対象は同じく Ubuntu Desktop の LTS 系列です。
ダウンロード画面で Desktop と Server が並ぶこともありますが、普段使いの PC に入れるなら Desktop を選びます。
GUI が最初から整っていて、この記事の後半で扱う画面構成とも一致するからです)。

筆者は Ubuntu を初めて触る人ほど、ここで「新しい番号の通常版のほうが良さそう」と感じやすい場面をよく見ます。
ただ、インストール直後に欲しくなるのは目新しさより、情報量の多さとトラブル時の調べやすさです。
そう考えると、入口で選ぶべき候補は自然と絞られます。

24.04 LTSを選ぶ理由

Ubuntu リリースサイクルUbuntu リリースサイクルでも案内されている通り、Ubuntu は 6か月ごとに新バージョンが出ます。
その中で LTS は長期サポート版という位置づけで、Ubuntu 24.04 LTS は 2029年4月まで のサポートが見込まれています。
一方、通常版はサポート期間が短く、たとえば Ubuntu 25.10 は 9か月 です)。

この差は入門用途での安心感に直結します。
筆者は学習用や検証用のサブ機には LTS を選ぶことが多く、アップグレード間隔が長いことで環境を安定して使い続けられる点が理由です。

ポイントリリース付きの24.04.3 LTSのような表記を見ても、別物ではなく 24.04 LTS の最新版と考えて大丈夫です。
新規インストールでは、古い 24.04.0 を探すより、配布ページにある最新の 24.04 LTS を選ぶほうが自然です。
更新がまとまっているぶん、導入後の差分も減らせます。

Ubuntu release cycle | Ubuntuubuntu.com

日本語Remixの位置づけ

日本語環境を重視する人にはUbuntu Japanese Team 日本語環境日本語環境を重視する人にはUbuntu Japanese Team 日本語環境で案内されている 日本語Remix という選択肢もあります。
これは日本語入力や日本語フォントまわりを導入しやすくした系統で、最初から日本語寄りの構成に寄せたい場合には有力です)。

ただし、本記事では 公式の Ubuntu Desktop 24.04 LTS の ISO を前提に解説します。
理由は、配布元と手順の対応関係が明快だからです。
検索で見つかる情報、公式チュートリアル、後から出てくる設定画面の説明がそろいやすく、はじめての導入記事として筋が通ります。

日本語Remixは「公式 ISO が間違いで、日本語Remixが正解」という関係ではありません。
公式版を基準にしつつ、日本語まわりを最初から整えて入りたい人向けの代替案と捉えると整理しやすくなります。
どちらも Ubuntu 系統ですが、記事を読みながら同じ画面を追いたいなら、まずは公式 ISO のほうがぶれません。

ubuntulinux.jp

保存先とファイル管理

ISO はダウンロードしたあとも少し扱いが雑になりがちです。
ファイルサイズが 約 5.8GB あるので、回線速度によっては取得に時間がかかりますし、あとで「どれが今回使うファイルだったか」が曖昧になると、USB 作成の直前で手が止まります。

筆者は ISO を保存するとき、ダウンロードフォルダに埋もれさせず、たとえば「ubuntu-iso」のように用途が一目でわかる専用フォルダへ置いています。
そこでファイル名を見て Ubuntu Desktop 24.04 LTS であることを確認し、必要ならメモにもバージョンを控えます。
複数の ISO を試していると、24.04 LTS と通常版、あるいは古いイメージが同居して紛れやすいからです。

USB メモリ側は前のセクションで触れた通りですが、ISO の保存先も同じくらい大切です。
作成ツールで参照するファイルを探す段階で迷わないこと、あとから再ダウンロードを避けられること、この 2 点だけでも整理して置いておく価値があります。

TIP

ISO の保存先はデスクトップ直下でも構いませんが、作業名が入った専用フォルダにまとめておくと、USB 作成ツールで選ぶ場面で別ファイルを開く事故を減らせます。

チェックサム検証

ダウンロードした ISO が壊れていないかを見る方法として、SHA256 のチェックサム検証 があります。
必須ではありませんが、サイズの大きい ISO では不意の破損を早い段階で見つけられます。
USB 作成のあとに起動しない原因を切り分けるときも、ISO 自体が正しいとわかっているだけで調査の軸がぶれません。

USBインストールメディアを作成する

Ubuntu 公式にも ISO の署名・チェックサム検証手順が案内されています(例: https://ubuntu.com/tutorials/verify-ubuntu)。ダウンロード直後に SHA256 を確認しておくと、USB 作成後に起動しない問題が発生した際の切り分けが速くなります。

ツール比較

Windows で Ubuntu の USB インストールメディアを作る方法として、定番なのがbalenaEtcherとRufusです。
どちらでも目的は果たせますが、迷うポイントの数が違います。
筆者は初心者向けのワークショップで両方を使ってきましたが、参加者全体の進行が安定するのはbalenaEtcherのほうでした。
画面に出る選択肢が少なく、操作の流れが固定されているので、「ここは何を選ぶのか」で止まりにくいからです。

一方で、Rufusは Windows で USB を柔軟に作りたいときに強いツールです。
公式のUbuntu Desktop インストール公式チュートリアルやWindowsでRufusを使ってUSB作成でも手順が案内されており、設定項目は増えますが、そのぶん起動方式や書き込み方法を確認しながら進められるため、Windows 利用者との相性は良好です。

比較すると、次のように整理できます。

項目balenaEtcherRufus
初心者向け高い
特徴画面がシンプルで手順が少ない高機能で細かい設定ができる
主な対応環境Windows / Mac / Ubuntu主に Windows
向いている人まず迷わず 1 本作りたい人Windows で柔軟に作成したい人
本記事での位置づけ初心者に推奨Windows 向けの有力選択肢

ここで見落としたくないのが、USB 作成を始めると USB メモリ内のデータは消去される ことです。
ISO を選ぶ操作に意識が向きがちですが、実際に消えるのは対象 USB 側の中身です。
普段使いの USB をそのまま挿していると、別の作業ファイルまで消してしまいます。

TIP

Ubuntu のデスクトップ ISO は約 5.8GB あり、USB メモリは 8GB 以上が目安です。
書き込み先に選ぶ USB は、作成専用として空のものを 1 本用意しておくと混乱を減らせます。

balenaEtcherの手順

balenaEtcherは、画面の順番どおりに進めれば USB 作成まで完了します。
覚えるべき操作は 3 つだけで、まず ISO を選び、次に書き込み先 USB を選び、最後に書き込みを始める流れです。
はじめて Ubuntu を入れる人には、この一本道の進行が合っています。

手順は次の順で見れば十分です。

  1. balenaEtcherを起動し、Select image を押してダウンロード済みの Ubuntu ISO を選びます。前のセクションで整理した保存フォルダを使っていると、ここで迷いません。
  2. Select target を押して、書き込み先の USB メモリを選びます。この段階で対象デバイス名を落ち着いて確認します。外付け SSD や別の USB ストレージが刺さっていると選択肢に並ぶため、容量表示だけで決め打ちしないほうが安全です。
  3. Flash を押すと書き込みが始まります。管理者権限の確認が出たら許可します。
  4. 完了表示が出たら、Windows の安全な取り外し操作を使って USB を抜きます。

balenaEtcherの長所は、途中でパーティション方式やターゲットシステムを考えなくて済むことです。
初心者向けの場でこれが効いていて、「GPT と MBR のどちらですか」といったところで進行が止まることがほぼありません。
まず 1 本を確実に作る、という目的ならこの単純さは大きな利点です。

書き込み時間は一般的な環境で約 10 分がひとつの目安です。
USB メモリの速度で多少前後しますが、異常がなければ待ち続けるだけで終わる作業です。
途中で固まったように見えても、アクセスランプが点灯している間は処理が続いていることがあります。

Rufusの手順

Rufusは Windows ユーザーにとって定番の選択肢です。
項目はbalenaEtcherより増えますが、Ubuntu 用の USB を作るだけなら難しく考えなくて構いません。基本的に既定値のままで進めて問題ありません。 ここをいじりすぎると、かえって起動しない USB を作る原因になります。

進め方は次のとおりです。

  1. Rufusを起動し、デバイス で書き込み先の USB メモリを選びます。
  2. 選択 から Ubuntu の ISO ファイルを指定します。
  3. パーティション構成ターゲットシステム を確認します。一般的な UEFI 環境では、Rufus が提案する GPT / UEFI の既定値でそのまま進めて問題ありません。
  4. 開始 を押して書き込みを実行します。途中で書き込みモードの確認が出た場合も、通常の Ubuntu インストール用 USB であれば既定の提案に沿って進めれば足ります。
  5. 完了後は安全な取り外しをして USB を抜きます。

Rufusは設定項目が見えるぶん、理解しながら進めたい人には向いています。
ただし、初回から細かい違いを全部把握する必要はありません。
Ubuntu を起動する USB を 1 本作るだけなら、デバイスを正しく選び、ISO を正しく指定し、既定値を崩さず開始する、この 3 点で十分です。

Windows 側で柔軟に作りたいときにRufusが便利なのは確かですが、最初の 1 回では「項目が多いこと」がそのまま判断ポイントの多さになります。
筆者なら、初回はbalenaEtcherで迷いを減らし、2 回目以降でRufusの項目を読む、という順番を取ります。

書き込みエラーの対処法

USB 作成が失敗したときは、ISO、USB メモリ、接続ポート、実行権限のどこで止まっているかを切り分けると進めやすくなります。
実際には複雑な障害より、接触の悪いポート、相性のよくない USB メモリ、途中で壊れた ISO のどれかであることが多いです。

まず試しやすいのは、別の USB ポートへ挿し替えることです。
前面ポートで失敗するのに背面ポートだと通る、というケースは珍しくありません。
次に、別の USB メモリへ替えると一気に解決することがあります。
古い USB は書き込み途中でエラーになったり、完了しても起動に失敗したりします。

ISO 側が怪しいときは、ダウンロードし直すのが早道です。
前のセクションで触れたチェックサム確認を通していれば切り分けが早くなりますし、そこを飛ばしていた場合でも再取得で直ることがあります。
5.8GB 級のファイルは、見た目では正常でも中身が壊れていることがあります。

Windows では、ツールを管理者権限で実行することでも改善することがあります。
balenaEtcherでもRufusでも、デバイスへの低レベルな書き込みで権限が絡む場面があるためです。
それでも失敗が続くなら、ツールを変えてみるのも有効です。
balenaEtcherでだめならRufus、あるいはその逆という順で試すと、原因がツール依存かメディア依存かを切り分けやすくなります。

書き込みが終わったあと、すぐ再起動の準備に入りたくなりますが、USB を乱暴に抜くと最後の書き込みやキャッシュ反映が崩れることがあります。
完了表示を確認し、安全な取り外しまで済ませてから次の工程へ進むほうが、起動トラブルを減らせます。

関連記事Linuxコマンド 基本20選|初心者が覚える操作Linuxコマンドは、ターミナルに文字で命令を打ち込んでOSを動かすための基本操作ですが、最初から数を追うより、まずは安全に覚えるべき20個に絞ったほうが手が止まりません。

USBから起動してUbuntuをインストールする

Boot Menu/UEFIの基本

USB メモリを作成したら、次はその USB から PC を起動します。
ここで使うのが Boot MenuUEFI 設定 です。
普段の Windows 起動ではなく、起動元として USB を明示的に選ぶ工程だと考えると整理しやすくなります。

PC の電源を入れた直後、メーカーのロゴが出る短い間にBoot Menuを呼び出します。
よく使われるキーは F12 / Esc / F2 / F10 です。
筆者の経験では、この表示は一瞬で消えるので、画面を見てから押すより、電源投入の直後から F12 か Esc を何度か押しておくほうが通しやすいです。
もしBoot Menuが出ずに通常起動したら、再起動して別のキーを試します。

Boot Menuが出たら、一覧の中から USB メモリを選びます。
表示名は製品名そのものだったり、UEFI: USB 名のような形だったりします。
ここで内蔵 SSD や Windows Boot Manager を選ぶと、いつもの OS が起動してしまいます。

UEFIの設定画面に入った場合は、起動順序の変更から USB を先頭にする方法もあります。
ただ、1 回だけ Ubuntu を起動したい段階では、Boot Menuから直接 USB を選ぶほうが手戻りが少なく済みます。

Secure Bootは、まず有効のままで試して構いません。 Ubuntu は多くの構成でそのまま起動できます。
もし USB からの起動で止まる、表示が崩れる、独自ドライバーまわりで後から不具合が出る、といった場面で設定を見直す流れのほうが実務的です。
『Ubuntu Desktop インストール公式チュートリアル』でも、まずは標準的な手順で進める流れになっています。

Install Ubuntu Desktop | Ubuntuubuntu.com

インストーラーの画面順ガイド

USB から正しく起動すると、Ubuntu のライブ環境またはインストーラーの入口が表示されます。
ここから先は、画面に出る順番どおりに進めれば迷いにくくなります。

まず 言語選択 が出るので、日本語で使うならここで日本語を選びます。
次に キーボードレイアウト の確認です。
日本語キーボードを接続しているなら日本語配列、英字配列ならその配列を選びます。
ここでずれていると記号入力で混乱しやすいので、テスト入力欄があれば軽く確認しておくと流れが止まりません。

続いて ネットワーク接続 の画面に進みます。
有線 LAN がつながっていればそのまま認識されることが多く、Wi-Fi なら一覧から SSID を選んで接続します。
この段階でネットにつながっていると、インストール中の更新取得や追加コンポーネントの導入がまとめて進みます。

その次に出るのが インストール種別 です。
ここでは主に 通常インストール最小インストール を選びます。
普段使いのアプリを一通り含めて始めたいなら通常、まず OS 本体を軽く入れて後で必要なものを足したいなら最小、という理解で十分です。
初回セットアップでは通常を選ぶと、インストール後に「最初から入っている前提」で進めやすくなります。

さらに サードパーティソフト の画面では、グラフィックスや Wi-Fi に関係する追加ソフトウェアを一緒に入れるかを決めます。
一般的なデスクトップ用途なら有効にして進めるほうが、その後の調整が減る場面が多いです。

その後、ディスク設定ユーザー情報の作成タイムゾーン の順で進みます。
ユーザー情報では、表示名、PC 名、ユーザー名、パスワードを設定します。
ここで作るパスワードはログインと管理作業の両方に使う場面があるため、打ち間違いのない形で決めておくと後で詰まりません。
タイムゾーンは日本ならTokyoを選べば日時表示が自然な状態になります。

ディスク設定の選び方

インストールで最も慎重に見る場面が ディスク設定 です。
選択肢としては、既存 OS と共にインストールディスクを削除してインストール手動(カスタム) の 3 系統だと考えると整理しやすくなります。

既存 OS と共にインストール は、Windows を残したまま Ubuntu を追加したいときの定番です。
インストーラー側で空き領域の調整候補が出るため、初回のデュアルブートでは入り口として扱いやすい方式です。
Windows を残す構成では、起動後にGRUBから OS を選ぶ形になります。

ディスクを削除してインストール は、そのディスク上の内容を消して Ubuntu 専用にする方法です。
単独インストールとしては最短ですが、選んだディスクの既存データは残りません。
ここでは 対象ディスク名と容量を必ず見てから決める のが前提です。
SATA SSD なら /dev/sda、NVMe SSD なら /dev/nvme0n1 のように見えることがあり、別ドライブ構成だと候補が複数並びます。
外付けストレージがつながっている場合も含めて、名前だけでなく容量表示まで見て絞ると取り違えが減ります。

手動(カスタム) は、既存パーティションを見ながら自分で割り当てたいときの方法です。
別ドライブに Ubuntu だけ入れたい、既存の EFI システムパーティションを使いたい、といった意図があるなら有力ですが、初心者が最初からここに入ると判断箇所が一気に増えます。
構成を明確に決めている場合を除けば、自動提案の範囲で完結する選択肢のほうが通しやすいです。

NOTE

ディスク名が似ているときは、容量表示に加えて「接続先(内蔵 NVMe / SATA / 外付け USB)」やケーブルの接続状況を確認すると誤操作を防げます。
たとえば内蔵 NVMe と外付け USB が同時に表示される場合は、一度接続機器を整理してから選ぶと安全です。

再起動と初回ログイン

ディスク設定を確定すると、実際のファイルコピーとインストール処理が始まります。
画面に進行状況が表示されるので、そのまま完了を待ってください。
処理が終わると「インストール完了」の案内が表示され、再起動に進みます。
再起動の指示が出たら画面の案内に従ってUSBメモリを抜いてください(「インストールメディアを取り外して Enter」と表示される場合はその指示に従います)。

再起動後、内蔵 SSD 側の Ubuntu が立ち上がり、ログイン画面 まで到達すればインストール本体は完了です。
先ほど作成したユーザー名または表示名を選び、設定したパスワードでログインします。
デュアルブート構成では、この前後でGRUBの OS 選択画面が出ることがありますが、Ubuntu を選べばそのまま先へ進めます。

初回ログインまで通れば、大きな山は越えています。ここから先は更新、日本語入力、必要に応じたドライバー追加という整える工程に移ります。

Windowsと共存させる場合の注意点

BitLockerの無効化/一時停止と復旧キー

Windowsと並べてUbuntuを入れるとき、最初に気にしたいのがBitLockerです。
ここが有効なままだと、インストーラー側でパーティション操作が素直に進まなかったり、再起動後にWindowsが回復画面へ入り、復旧キーの入力を求められたりします。
筆者のところにも、Ubuntu 側の操作そのものより、BitLocker を止めずに触ってしまって途中で詰まったという相談が多く届きます。
実際、事故の多くは Linux 側ではなく、事前の Windows 側準備で防げます。

そのため、デュアルブートでは BitLocker を無効化するか、一時停止した状態で作業する という順番が基本になります。
あわせて 復旧キーを控えておくこと も外せません。
パーティション構成や起動情報に変化が入ると、Windows は「いつもと違う起動環境」と判断して保護動作に入ることがあります。
復旧キーが手元にないまま再起動すると、その場で先へ進めなくなります。

もうひとつ見落とされやすいのが高速スタートアップです。
Windows 側でこれが有効だと、シャットダウン後もディスクがハイバネーションに近い状態で残り、Linux から Windows パーティションを扱うときに整合性チェックやマウント制限へつながります。
デュアルブートでは、暗号化と休止状態の両方がディスク操作の邪魔になりやすい、と捉えると流れを理解しやすくなります。

WARNING

Windowsを残す構成では、BitLocker の状態と復旧キーの保管先を先に整理しておくと、その後のディスク選択で迷っても被害が起きにくくなります。

既存OSと共にの意味と確認ポイント

インストーラーに出てくる 既存OSと共にインストール は、「Windows を残したまま、同じドライブ上の空き領域を分けて Ubuntu を共存させる」という意味です。
つまり、別の空ディスクへ単独で入れる選択肢ではなく、同一ドライブ内のパーティション共存 を前提にしたモードです。
ここを「Windows を自動で安全に避けてくれる機能」とだけ理解してしまうと、想定と違う場所へ入れてしまう原因になります。

この方式では、Windows の領域を縮小して Ubuntu 用の領域を確保し、起動時はGRUBから OS を選ぶ形になります。
便利な反面、触っているのは既存の Windows ディスクそのものです。
EFI システムパーティションやブートエントリも関わるため、途中で選択を取り違えると「Ubuntu は入ったのに Windows が起動一覧から消えた」「逆に Ubuntu が起動しない」といったブートローダ周りのトラブルに発展します。

誤って消去しないために、画面では次の点を順番に見ていくのが確実です。

  • 対象ディスク名 が Windows を入れているものと一致しているかを確認する
  • 容量表示 が自分の内蔵 SSD と合っているかを確認する
  • 「ディスクを削除してインストール」 を選んでいないかを確認する
  • 既存の Windows Boot Manager や EFI 領域が見えているかを確認する
  • 縮小対象が Windows パーティションで、外付けストレージや別ディスクではないかを確認する
  • 書き込み確定前の要約画面で、削除対象に想定外のパーティション名が並んでいないか

この確認は、細かい知識を全部理解していなくても役立ちます。
特に 「共にインストール」=「何も消えない」ではない という点は押さえておきたいところです。
実際には同じディスク上の区画整理を伴うので、誤操作の余地は残ります。
起動に必要な ESP やブートローダの設定も変わるため、Windows の回復手段や Ubuntu のライブ USB を手元に置いておくと、起動修復の選択肢を確保できます。

別ドライブ運用のすすめ

Windows を残しつつ Ubuntu を使いたいなら、同一ドライブのデュアルブートより 別ドライブ運用 のほうが事故を減らしやすい構成です。
たとえば Windows は既存の NVMe SSD に残し、Ubuntu は別の SATA SSD か別の NVMe SSD に入れる形です。
物理的に保存先が分かれているだけで、「どの領域を縮めるか」「どのパーティションを消すか」という判断が減り、誤って Windows 側のデータに触れる可能性も下がります。

この構成でも UEFI の起動管理やGRUBの導入は発生しますが、少なくとも Windows パーティションのサイズ変更を避けられます。
インストーラーの画面でも「Ubuntu を入れる先」と「Windows がある先」を容量と接続先で見分けやすく、初心者にとってはここが大きな差になります。
筆者も、新規に組むなら同一ドライブ共存より、別ドライブを一本用意して Ubuntu を分けるほうを選ぶことが多いです。
トラブル時の切り分けが明快で、起動しない原因が OS 側なのか保存先の選択なのかを追いやすくなるからです。

さらに慎重に進めるなら、インストール時だけ Windows 側のドライブを外す、または BIOS/UEFI 上で起動対象を明確に分ける方法もあります。
ここまでやると、Ubuntu のインストーラーが Windows 側のパーティションへ触れる余地が減ります。
デュアルブートは「共存」よりも「起動管理を共有する二台運用」に近いので、保存先を分ける発想のほうが実際の作業と噛み合います。

Intel RSTとAHCIの注意

ノート PC ではストレージ設定がIntel RSTになっていて、Ubuntu のインストーラーから内蔵 SSD が見えないことがあります。
この場合、Linux 側の問題というより、ファームウェアのストレージ動作モードが原因です。
Ubuntu Desktop 公式ドキュメントUbuntu Desktop 公式ドキュメントでも、RST 構成ではAHCIへの再構成が必要になる場合があると案内されています)。

ここで気を付けたいのは、BIOS/UEFI でいきなり RST から AHCI へ切り替えると、Windows がそのままでは起動しなくなることがある 点です。
Windows はインストール時のストレージモードに合わせて起動設定を持っているため、先に Windows 側で切り替え準備をしてから変更する流れになります。
デュアルブートのつもりで始めたのに、実際にはストレージモード変更が主作業になるケースもあります。

この話題でも、ブートローダと復旧手段の確保が関わります。
UEFI 環境では ESP にWindows Boot ManagerやGRUBの情報が載るため、RST/AHCI の変更、Ubuntu の追加、ブート順の変更が重なると、どこで起動不能になったのか見えにくくなります。
Windows の回復画面に入れる状態を維持しつつ、ライブ USB から Ubuntu を起動できるようにしておくと、片方が起動しなくなっても修復の足場を失わずに済みます。

インストール後に最初にやる設定

まず更新

Ubuntu を入れた直後は、最初に更新を通しておくと後の作業が安定します。
インストール用 USB に入っていた時点のパッケージは少し前の状態なので、日本語周りやドライバー周りで引っかかる前に新しい状態へそろえる、という順番です。
Ubuntu Desktop 公式ドキュメントUbuntu Desktop 公式ドキュメントでも、インストール後の基本として更新作業が前提になっています)。

GUI でのアプリ追加・更新は App Center(Ubuntu Software)が主要な導線になります。
ただし、App Center は主にアプリ(SnapやDeb/Flatpak等)の管理に重きがあり、カーネルや一部のファームウェア更新、ハードウェア向けの推奨ドライバーは別の更新機構(Software Updater / Software & Updates → 「追加のドライバー」 / Firmware Updater など)で扱われることがあります。
重要なシステム更新はこれらの画面も併せて確認してください。
アプリ更新を視覚的に追える点は初心者にとって有益です。
端末でまとめて済ませるなら、次の 1 行で十分です。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

apt update は利用可能な更新情報の一覧を取得する処理で、apt upgrade -y はその一覧に基づいて更新可能なパッケージを実際に適用する処理です。
GUI でのアプリ追加・更新は App Center(Ubuntu Software)が主な導線になりますが、App Center は主にアプリ(Snap/Deb/Flatpak 等)の管理に重きを置いています。
カーネルやファームウェア、一部のハードウェア向け推奨ドライバーは Software Updater や「ソフトウェアとアップデート」→「追加のドライバー」、Firmware Updater など別の仕組みで扱われることがあるため、重要なシステム更新はそちらも併せて確認してください。

日本語入力

日本語入力は、Ubuntu を入れた直後に最も困りやすい部分です。
日本語キーボードそのものを認識していても、かな漢字変換の仕組みが整っていないと、ブラウザの検索欄やメモアプリで日本語を打てません。
そこでMozcを入れ、入力メソッドの土台としてFcitx5またはiBusのどちらを使っているかを確認します。

Ubuntu 24.04 ではFcitx5を採る構成が目立ちますが、iBus系で動いている場合もあります。
大事なのは「Mozc を入れること」と「その Mozc を入力メソッドフレームワーク側で有効にすること」が別作業だと理解しておくことです。
Mozc を入れただけでは、入力切り替えの候補に出てこないことがあります。

Fcitx5を使うならFcitx5 Mozcを追加し、iBusを使うならiBus Mozcを選びます。
名称は似ていますが、つなぎ先が違います。
ここが合っていないと、インストールは通っているのに日本語入力だけ出てこない、という状態になります。
日本語入力の切り替えが不安定なときは、導入後に一度ログアウトしてからログインし直すと落ち着くことが多く、筆者もこの手順で解消した場面が何度もありました。
再起動までしなくても、セッションを張り直すだけで反映されることがあります。

NOTE

Mozcを入れたのに候補に出ないときは、まずFcitx5かiBusのどちらで動いているかを確認し、対応する Mozc を有効化してから再ログインすると直ることが多いです。

日本語言語サポートとフォント

入力できる状態と、表示が自然な状態は別です。
変換が動いても、メニューやアプリの日本語表示、文書で使う日本語フォントが不足していると、四角い豆腐文字になったり、フォントの見た目がちぐはぐになったりします。
ここで見るのが言語サポートです。

言語サポートから日本語を追加すると、翻訳データや関連パッケージ、必要なフォント類がそろっていきます。
Web ブラウズ中心なら英語 UI のままでも困らないことはありますが、ファイル名、日本語サイト、PDF、Office 系文書まで扱うなら、日本語表示まわりを最初に整えておいたほうが後で手戻りがありません。
特に日本語フォントが不足した状態では、同じページを見ても文字幅や行間が不自然になり、読み疲れの原因になります。

この段階で合わせて見ておきたいのが、時刻同期とタイムゾーンです。
地域設定がずれていると、ファイルの更新時刻や予定表の時刻が想定と食い違います。
加えて、電源管理のスリープ設定とプライバシー設定も最初に触っておくと、その後の普段使いが落ち着きます。
ノート PC では、蓋を閉じたときの動作や画面消灯までの時間が初期設定のままだと、作業途中で意図せずスリープに入ることがあります。
共有 PC に近い使い方なら、画面ロックや位置情報まわりも見ておくと整理がつきます。

追加ドライバーと解像度

画面の解像度が妙に低い、外部ディスプレイの認識が不安定、Wi‑Fi がつながらない、という症状は、インストール直後の「まだ専用ドライバーが入っていない状態」で起こりがちです。
Ubuntu には追加のドライバーという導線が用意されており、ソフトウェアとアップデートの中から開けます。
ここでは GPU や Wi‑Fi など、ハードウェアに応じた候補が表示されます。

とくにNVIDIAのグラフィックスを積んだ PC では、ここで推奨ドライバーへ切り替えるだけで解像度や描画の安定感が変わることがあります。
逆に、導入後の再起動でドライバーが読み込まれず、黒画面や低解像度のままになるケースもあります。
Secure Bootが有効な状態では、追加したカーネルモジュールの読み込みにMOK登録が絡むことがあり、再起動時に青い画面で登録操作を求められることがあります。
ここは日本語入力より一段トラブルの切り分けが難しいので、まず追加のドライバーで推奨候補が出ているかを見る、という順番にしておくと判断がぶれません。

ドライバーが整ったあとに、設定アプリのディスプレイ項目で解像度と拡大率を調整します。
高解像度ディスプレイでは、解像度自体は合っていても拡大率が合わず、文字だけ極端に小さく見えることがあります。
ここはドライバー導入前後で候補が変わるので、先に解像度だけ触って違和感が残るときは、ドライバー適用後に見直すほうが筋が通ります。

再起動・再ログインのタイミング

Ubuntu の初期設定では、「どこで再ログインし、どこで再起動するか」を分けて考えると混乱が減ります。
日本語入力の導入や有効化は、セッションを張り直すための再ログインで反映されることが多く、毎回フル再起動まで進める必要はありません。
筆者もFcitx5とMozcを入れた直後は、いったんログアウトして入り直すほうを先に試します。
そのほうが切り替えキーの反応や候補表示が安定する場面が多いからです。

一方で、カーネルや低レイヤーの更新、追加ドライバーの適用は再起動が前提です。
見た目上は更新完了でも、実際には古いカーネルで動き続けていることがあります。
日本語入力は再ログイン、ドライバーは再起動、という整理で覚えておくと判断しやすくなります。

このタイミングで、設定アプリの中にある時刻、電源、プライバシーも一巡しておくと、使い始めてからの細かな引っかかりが減ります。
インストール直後は「起動したから終わり」に見えますが、実際にはこの数項目を整えたところから日常利用の土台が固まります。

よくあるトラブルと対処法

USBから起動しない

ここで詰まると、インストーラー以前に前進できません。
まず見直す順番は、起動時に押しているBoot Menuキーが合っているか、USBメモリがきちんと作成できているか、そしてファームウェア設定でUEFI起動が有効になっているかです。
F12EscF9などはよく使われますが、普段の BIOS 画面に入るキーと Boot Menu のキーは別になっていることがあります。
電源投入直後にロゴが出た瞬間から連打すると通ることが多いです。

そのうえで、USBポートを変えると急に起動できることがあります。
前面ポートや USB ハブ経由では反応せず、背面ポートへ挿したら通った、というのは珍しくありません。
筆者の経験でも、USBメモリ自体の相性で先に進まない場面があり、同じ ISO を別メーカーの USB に書き直したら一発で起動したことがありました。
インストールメディア作成ツールの出来より、メディア側の相性でつまずくことは実際にあります。

設定面では、LegacyやCSM寄りの起動設定になっていると、UEFI前提で作った Ubuntu の USB がうまく見つからないことがあります。
Ubuntu は現在の PC では UEFI 起動を前提に進めるほうが筋が通ります。
あわせてFast Bootが有効だと USB 検出のタイミングが短くなり、外部メディアを拾えないことがあります。
Windows 側の高速スタートアップも絡むため、前述の共存設定とあわせて見ると切り分けが進みます。

Secure Bootも見逃せないポイントです。
Ubuntu 自体は Secure Boot を有効のまま起動できる構成がありますが、作成した USB や後から入れるドライバーとの組み合わせで止まることがあります。
Ubuntu の Secure Boot と MOK の流れはUbuntu Documentationの Secure Boot 解説でも整理されており、署名の扱いで起動やモジュール読み込みが左右されます。
起動前の段階で止まるなら、いったん Secure Boot の設定を見直すと、原因がファームウェア側か USB 側かを分けて考えられます。

『Ubuntu Documentation』

UEFI Secure Bootdocumentation.ubuntu.com

Boot MenuにUSBが出ない

Boot Menu 自体は開けるのに、USBメモリだけ候補に出ないときは、USBの作り直しが最短です。
ISO の書き込み途中で失敗していても、見た目では完了したように見えることがあります。
Ubuntu のデスクトップ ISO は大きめなので、書き込みに問題があると Boot Menu に載る前で落ちます。
作り直すときは同じ USB に上書きするより、別の USBメモリを使ったほうが切り分けが早いです。

加えて、USB 3 系のポートでは見えず、USB 2 系のポートなら見える場面があります。
とくに少し前の PC では、起動直後の段階で特定ポートの初期化が遅く、OS が立ち上がる前は検出されないことがあります。
Boot Menu に何も出ない問題は、ポート変更だけで解決するケースが想像以上にあります。

それでも出ないなら、ISO そのものが壊れていないかも見ておきたいところです。
Ubuntu の配布にはSHA256SUMSが用意されており、ハッシュ値で破損確認ができます。
筆者も、ダウンロードし直すか迷うときは先にハッシュを見ます。
数GB級の ISO でも、SSD 上なら待たされる感覚はそれほど長くありません。
Linux JPの手順では、sha256sum -c SHA256SUMS や GPG 署名確認まで含めた流れがまとまっています。

『Linux JP』

ファームウェアが古い PC では、BIOS 更新で USB 起動まわりが直ることもあります。
ここは Ubuntu 側の問題というより、UEFI 実装の更新で解消する類の不具合です。
USB がまったく列挙されない状態で、別メディアでも同じなら、メディア作成よりファームウェア側の線が濃くなります。

linux-jp.org

再起動で止まる・黒画面

インストール直後の再起動でロゴのまま止まる、黒画面のまま進まない、カーソルだけ出るという症状は、GPU ドライバーか起動パラメータの問題であることが多いです。
とくにNVIDIA搭載機では、標準状態では表示系が不安定なまま起動し、専用ドライバーを入れると収まることがあります。
前のセクションで触れた追加のドライバーがここでも軸になります。

インストール前から Live 環境で表示が怪しかったなら、ISO の破損も疑ったほうが筋が通ります。
書き込みに成功していても、元の ISO が壊れていると、インストール途中では進めても再起動後に不安定さが出ます。
USB の作り直しとハッシュ確認を先に片づけると、後の切り分けが軽くなります。

画面まわりで止まるときの回避策としてよく使われるのが nomodeset です。
これは Linux カーネルのモード設定を止めて、GPU 初期化の段階でこけるのを避けるための一時対処です。
GRUB で起動項目を編集して linux 行の末尾に nomodeset を足す流れは、Dellのサポート情報でも案内されています。
インストール時だけ通して、起動後に追加ドライバーを入れてから通常起動へ戻す、という順番が取りやすい方法です。

『Dell』

もうひとつ多いのが、専用ドライバーの導入後にSecure Bootが有効のままで、カーネルモジュールが読み込めない状態です。
この場合はインストール自体が失敗したのではなく、再起動時の MOK 登録を通していないためにドライバーが有効化されていません。
青い MOK 画面を見落とすと、入れたはずのNVIDIAドライバーが動かず、黒画面か低解像度で止まったように見えます。

NOTE

黒画面が出た場合は、いきなり再インストールするより順に切り分けるのが効率的です。
まずは ISO の破損確認 → 一時的に nomodeset で起動 → 追加のドライバー確認 → Secure Boot / MOK の順で確認してください。

dell.com

日本語入力が効かない

日本語表示は出ているのに入力だけ英数のまま、という状態は珍しくありません。
このときはMozcが未導入か、導入したMozcと入力メソッドの組み合わせがずれていることがほとんどです。
Fcitx5を使っているのにiBus向けの Mozc を入れていたり、その逆だったりすると、インストール済みに見えても変換候補が出ません。

ここは前の設定セクションと重なるので短く整理すると、Fcitx5ならFcitx5 Mozc、iBusならiBus Mozcという対応をそろえるのが先です。
筆者も、日本語が打てないときはアプリ追加画面より、まず今どちらの入力基盤で動いているかを見ます。
ここが一致すると急に通ることが多いです。

導入後に反映されないときは、再起動ではなく再ログインで直ることがあります。
セッションを張り直すだけで入力メソッドが読み込まれ、切り替えキーや候補ウィンドウが正常化するパターンです。
前のセクションでも触れた通り、日本語入力はカーネル更新と違ってフル再起動が必須ではありません。
入れたのに出ないときほど、いったんログアウトして入り直す流れが効きます。

解像度・追加ドライバーの問題

文字が大きすぎる、小さすぎる、外部ディスプレイが認識しない、Wi‑Fi が見つからないという不具合は、初期状態の汎用ドライバーで動いているときによく出ます。
この段階では設定アプリの解像度項目だけを触っても根本は変わらず、専用ドライバーを入れたあとで候補が増えることがあります。

Ubuntu ではソフトウェアとアップデート内の追加のドライバーから、GPU や Wi‑Fi 用の候補を一覧できます。
ここで推奨ドライバーが出ているなら、まずそこを基準に見るのが近道です。
NVIDIAでは描画が安定し、解像度や外部出力が整うことがありますし、無線 LAN では専用ドライバーの導入で突然ネットワークが見えることがあります。

一方で、ドライバー導入後に再起動しても反映されないなら、Secure Boot と MOK の組み合わせが残っています。
追加のドライバー画面で入れたのに動かないときは、導入そのものより「読み込めていない」ケースが多いので、低解像度のままでも設定が壊れていると決めつけないほうが切り分けしやすくなります。

パーティション操作のエラー

インストーラーでディスク操作に失敗する場合、ありがちなのはBitLockerが有効なまま、Windows 側のIntel RST構成が残っている、未割り当て領域が足りない、の三つです。
とくに Windows と共存させる構成では、Linux 側のパーティション知識より先に、Windows 側の保護機能で止まることが多いです。

BitLockerが有効だと、縮小や既存パーティションの扱いで素直に進まないことがあります。
Windows の高速スタートアップが残っていると、ディスクが休止状態に近い扱いとなり、Linux 側から見ると安全に触れない状態になります。
Ubuntu 側のエラーに見えても、実際には Windows の終了状態が原因という流れです。

Intel RSTも見落とされがちです。
NVMe SSD が見えているのに、インストーラーで使えなかったり、想定した構成で切れなかったりするときは、ストレージコントローラ設定が AHCI ではなく RST 系のままになっているケースがあります。
ここで無理にパーティションを切ろうとすると、ディスクがあるのに進めない、という一番混乱する状態になります。

未割り当て領域については、空き容量が「ある」ことと、Ubuntu がそのまま使える未割り当て領域が「ある」ことは別です。
Windows 上で空きが見えていても、実際には既存パーティションの中の空きに過ぎず、インストーラーには自由領域として渡っていないことがあります。
デュアルブートで止まるときは、まず BitLocker、次に高速スタートアップ、続いて RST、そこまで問題がなければ未割り当て領域の作り方、という順に見ると迷走しにくくなります。

まとめと次のアクション

最初の分岐は、Ubuntu 24.04 LTSのような長く使える版を選ぶか、短い周期で新機能を追う通常版を選ぶかです。
そこが決まれば、ISO を取得して USB を作り、ライブ起動で確認してから本番インストールへ進む流れがぶれません。
筆者は別ドライブへの導入をよく選びますが、Windows 側を残したまま検証から日常利用へ移るとき、触る場所が分かれているだけで気持ちが落ち着き、作業判断も冷静になります。

今日やることチェックリスト

  • Ubuntuの ISO を取得する
  • 8GB 以上の USB メモリでbalenaEtcherまたはRufusを使ってインストールメディアを作る
  • 重要データをバックアップし、BitLockerの状態を確認してからライブ USB で試す

次の学習ステップ

LTSは安定運用向け、通常版は新機能優先という違いを軸に選ぶと迷いません。
USB 作成ツールは、まず迷わず進めたいならbalenaEtcher、Windows で細かく扱いたいならRufusが合います。
構成は単独インストールがまっすぐ、同一ドライブのデュアルブートは慎重な操作が必要で、別ドライブ構成は安全側に寄せたい人と相性がよいです。
本インストール後は更新を通し、日本語入力まで整えれば、普段使いの土台が固まります。

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佐々木 まい

IT企業でのシステムエンジニア経験を経て、スマートホーム導入のコンサルティングに転身。Home AssistantやESPHomeを使った自宅オートメーションを日々研究中。